はじめまして、elicaです。
今回からボイストレーニングについての1ポイントアドバイスを各インストラクターよりお伝えしていきたいと思います。
先陣を切りまして、まずは私から根本的なことをお伝えしたいと思っております。
どうぞ、お気軽に楽しんでいってくださいね!!
歌がうまいって?
「歌がうまくなりたい!」
これは大変多くの方が思うことですよね。
では歌がうまいってなんだろ。
音程が取れていること? 声量があること? それとも高音が出ること?
どれも正解です。ですがそれだけでは不十分でもあります。
なぜならそれらはテクニックだからです。
私個人としては、そもそも歌がうまいという言い方自体に少し違和感を覚えます。
歌がうまい=いい歌が歌えるということと同義でなくてはならないのに、テクニック重視になると、歌のうまさといい歌が歌えるということが切り離されてしまうように感じるのです。
ではいい歌が歌えるとは?
それは言葉を伝えることができる歌が歌えるということです。
言葉でなくても、その歌・曲の持つ世界観を伝えることができる歌がうたえるということです。
歌には必ず伝えたい何かがあって、そんな想いが言葉になり、その言葉にはメロディーがついています。
一見内容がわかりにくいなぁと感じる言葉遊びの歌でも、その言葉遊びの面白さを伝える歌が歌えたら、その歌の持つ良さを表現できることになります。
そう、「歌とは言葉を伝える」ということなのです。
これが歌を歌うことの醍醐味です。人によっては「歌う理由」になるでしょう。
私たちフェスタミュージックサロンでは、この醍醐味を余すことなくお伝えしたい。そのための数々のテクニックであることを忘れずに、日々レッスンをお届けしたいと考えています。
歌の中で言葉を伝えるために
では歌の中で言葉を伝えるためには何を意識したらいいでしょうか?
実は単純なことです。一語一語を大切に発する、大切に歌うということに他ならないのです。
ですが普段みなさんが歌っていて、どの程度言葉の細部まで気を遣えていますか?フレーズの終わりを歌いっぱなしにしていませんか?ビブラートがかかるからそれでいいと思っていませんか?息継ぎが苦しいからといって、もう次のフレーズに気を取られていませんか?
私たちインストラクターは、日々メンバーのみなさんの歌を聴いていて、「もう!!惜しいよ!!」と思う第一要因はコレなのです。
せっかく山場を乗り切ったのに! あれだけ気にしていた歌詞も間違えなかったのに!!
最後がブチっと切れてしまう、揺れてしまう、気持ちの良い余韻が作れない…などと、言葉を伝えるうえで大切なことを置き去りにしてしまう現場に遭遇します。
ですが何度も何度も繰り返し伝えて、自分の歌唱を繰り返し聴いてもらいます。そうすると、それらは確実に改善されます。自分の耳の精度も上がるのです。
言葉を伝えるためのテクニック
私たちがそこで伝えるのが、テクニックです。
腹式って言っても、使い方は一つではないんだよ!とか、ビブラート以外にもフレーズを心地よく終わらせる歌い方ってあるんだよ!とか、この部分は切ない気持ちを表した部分だから、息の使い方はこうやって注意するんだよ!
など、すべては言葉を伝えるためのテクニック。そしてそれが「歌がうまい」ということと同義になりますように…☆
機械が歌うわけじゃなくて、人間が歌うのだから。歌い手のフィルターを通せば、完全な正解こそなくても、心地よい表現は無限にあるはず。
そのお手伝いをするのが私たちインストラクターの仕事です。
なぜこの歌を歌いたいって思ったの?
この歌を歌うことによって、何を伝えたいの?
どういう自分になりたいの?
こちらも答えはありません。ですがポイントが一つ!
「~しなければならないと思ったから!」という気持ちが先走らないようにしてほしいということ。うまく歌わなければならない。完璧に歌わなければならない。という「~しなければならない」という感情。
「~しなければならない」よりも「~したい」を大切に。歌の世界は、自分の感情を開放するもの。もっと前を向いて、内からこみ上げるもの。
「~しなければならない」という感情は、自分を追い込んでしまうし、外へ表現すると、聴いている人は押し付けられたような気がしてしまうこともあります。
そうならないために、私たちはみなさんが目指す場所を一緒に探したいし、そのためにできることを伝えたいのです。
だから歌おう!言葉を届けよう!
練習をしていると、何度も壁にぶつかりますし、歌を歌うことや音楽を聴くことさえ嫌になるかもしれません。
そういったときには、なんでこの歌なんだっけ?と振り返ってみましょう。どういう理想を描いていたのでしょう?どのようなワクワクがあったのでしょう??
いつの間にか「~しなくてはならない」が増えていませんか?伝えたいことが後回しになっていませんか?もしも、その歌に出逢った時のワクワク感を思い出せないのであれば、一度その歌から離れてみるものいいかもしれません。
それぞれ人が言葉を伝えるということがどういうことなのか、私たちインストラクター自身も日々模索しながら真摯に向き合います。
だからみなさんもどうか、言葉をつたえることを大切に歌を歌ってくださいね。
elica